雅歌2・8‐14
恋しい人の声が聞こえます。
山を越え、丘を飛んでやってきます。
恋しい人はかもしかのよう
若い雄鹿のようです。
ごらんなさい、もう家の外に立って
窓からうかがい
格子の外からのぞいています。
恋しい人は言います。
「恋人よ美しい人よさあ立って出ておいで
ごらん冬は去り、雨の季節は終わった。
花は地に咲きいで、小鳥の歌う時がきた。
この里にも山鳩の声が聞こえる。
いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。
恋人よ美しい人よ、さあ立って出ておいで。
岩の割け目、崖の穴にひそむわたしの鳩よ
姿を見せ、声を聞かせておくれ。
お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。」